世界一周から帰国し、再就職してから痛風家系なので痛風かな?と思う様な症状が出ていたのですが突発的だったので放置していました。帰国後2年くらいして耐えれなくなり詳しく検査するとリウマチの疑いが高いということで治療しています。
それに至った経緯や現在行なっている治療の記録を残しておきます。ちなみに家系でリウマチになったのは僕が初めてです。
リウマチとは
自己免疫の異常により主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気。
30代〜50代で発症することが多く、男性より女性(1:4程度)に多い。
僕も30代前半で発症しました。最初の症状は手小指の腫れでした。左右対称のことが多く僕もそうでした。
リウマチのイメージだとおばあちゃんの足の指が曲がっているというようなイメージでしょうか?今ではそれはかなり古くてそういう人はかなり少ないです。どんどん新しい薬が出てきているので痛みのない状態を保つことが出てきている人もかなり多いです。
僕のリウマチの特徴
痛む場所:手小指、膝、手首、その他突発的な激痛が数日続く(場所は毎回バラバラ)
血液検査は全て陰性(血沈、CRP、抗CCP抗体、リウマトイド因子、MMP-3)
効果のあった薬:TNFα阻害薬(エンブレル、シンポニー、ナノゾラ)、メトトレキサート、タクロリムス、サラゾスルファピリジン
効果のなかった薬:IL6阻害(アクテムラ)、ブシラミン
また、妊活の影響で精子に影響が出る恐れがある薬を使うことに躊躇していました。その中でもメトトレキサートは男性であれば問題ないという見解も多いですが主治医がその見解とは異なっていたので使わない方向で考えることになり、最終的にTNFα阻害やタクロリムスを使用し妻が妊娠し出産に至りました。
発症の経緯
2020年6月ごろ 両小指腫れる
2021年3月 薬開始。サラゾスルファピリジンスタート、小指の痛みひどくなってきたから。
4月 サラゾスルファピリジン1日2回飲むと小指の痛み和らぐ。腫れは変わらず
2021年4月中旬 左膝が曲げにくくなる。
2021年5月初旬 しゃがむのも辛くなる。
2021.5月20日 リマチル100mg1錠追加
5.24 初めて両方の小指の感覚が戻る。数日でまた違和感出てきたが。
5.30 左膝痛くて歩き方少し変。手首の痛みが出た時は3日くらいで痛み無くなる。
5.31 左膝曲げれないのはずっとだが、歩くの辛くなり、膝を曲げて歩けないので変な歩き方になる。走ることもできないし、階段も無理。写真↓は突発的な足の痛み出た時。かなり痛いが大抵数日で治り継続はしない。
7.9 リマチル100mg1日2錠に追加。1ヶ月経っても効果はあまりない。
8.21 夜から右手首に激痛。何も持てない。でも、2日で治った。苦しかったのは1日
9.1 朝起きたら手のひらの中心が痛すぎる。でも、朝だけで10時くらいには完全に治っている。
9.3 tspot(結核の感染の有無)と 血液検査し生物学的製剤の準備。
9.10 足の甲腫れた。1-2日で治るやつかと思う。その日からエンブレル50mg開始。打ったら、夜くらいから膝の腫れ、小指の腫れ治った。足の甲は治らなかったが翌日にはほとんど全ての痛みが解消。
9.24 エンブレルで痛み引いたのでサラゾスルファピリジンは中止。エンブレルとリマチルのみで治療。
10.22 リマチル中止しエンブレルのみ。このときからバイオシミラーのエタネルセプトに変更。
12月末の検査で肝機能ALTがエンブレル(エタネルセプト)を打ち始めてから徐々に上昇していて今回70近くになったので中止。しばらくは体内から薬が消失するのを待つため投薬なし。
2022.2月頃 徐々に痛みで始める。やはりエンブレルで痛みを抑えていただけでよくなっていたわけではなかったと実感。
2.28 エンブレルを中止した後の血液検査で肝機能が正常値に戻ったのを確認したのでアクテムラに変更。
4.8 アクテムラを1ヶ月使ったが口内炎ができるだけで痛みはあまり引かず。さらにALTがエンブレル以上に上昇したため中止。タクロリムス1.5mg開始。
1ヶ月ほどで痛み軽減したがエンブレルと比べると全然効果は薄い。ただ我慢できるのでこのまま続けることに。
6.10 タクロリムス2mgに増量。
9.30 タクロリムス2.5mgに増量。その後血液検査でALTが上昇したため多剤を検討することに。
11.18 メトトレキサート4mg、タクロリムス2mgに変更。1ヶ月ほどするとタクロリムス2.5mgより効果実感できた。エンブレルには遠く及ばない。
2023.1.6 メトトレキサート6mg、フォリアミン5mg、タクロリムス2mgに変更。
3.24 3月に入ってから激痛が頻発するようになる。激痛の時は歯ブラシすら持てない。切れ目の付いている袋すら開けれず、開けるためにハサミを使うがそれも痛みの無い手を使わないといけない。メトトレキサート8mg、フォリアミン10mg、タクロリムス2mgに変更。増量後は痛み治まっていたがリウマチの活動性がある中で後手後手になっているので生物学的製剤を再検討。
4.7 シンポニー50mg1キット、メトトレキサート8mg、タクロリムス2mgに変更。その日のうちに全身の痛みが引いた。血液検査の結果、メトトレキサートを8mgに増やしてからALTが120と高値になったのでメトトレキサート8mg→4mg、フォリアミン10mg→5mgに減量。
5.12 ALTが高いのでメトトレキサートとフォリアミンも中止。
6.2 まだALT高いのでタクロリムス2mg→1mg。
7.7 まだALT高いのでタクロリムスも中止。
11.17 ALT高いためシンポニー5週に1回に減らす
2024.1.25 ALT以前高いためシンポニー6週に1回に減らす
2024.2.28 左膝に違和感、しゃがんだり階段登ると痛い
3.5 左手首の痛み出てきた。
3.7 電話して早めの受診。6週間隔→5週もしくは4週を提案されたが前回シンポニーを打ってから1週間しか経っていないため最低3週間待つ必要がありこれから悪化すれば耐えれないのとシンポニーでも肝機能の数値が上がっていたのでナノゾラを希望し1週間後に切り替えることになった。
3.15 ナノゾラ打った。エンブレルやシンポニーの時は翌日には完全に痛みがなくなっていたがナノゾラは効果が出てくるのに1週間くらいかかった。その間、もしかして効いていないのか?と思うくらい効果を実感しなかった。しかし、その後痛みが引いていった。
4.25 ナノゾラの副作用?と思われる薬疹が腕と首に出る。痒みや赤みはあるがそれ以上悪化しない。
5.10 薬疹?について主治医に相談。皮膚科受診促される。
5.18 皮膚科受診し、肌の露出しているところのみで薬を使用してから期間が経っているので光線過敏症という結論になり薬は継続することになった。ただ、薬により光線過敏症を誘発した可能性もあるので使用しながら観察することになった。
血液検査
一般的には問題ないと思いますが僕は薬の副作用が肝臓すぐ現れるようで肝機能のモニタリングが毎回問題になります。それで肝機能検査の結果を記載しています。
2021.7.9 サラゾ500mg2× リマチル100mg1× 肝機能正常
2021.8.20 サラゾ500mg2× リマチル100mg2× 肝機能正常
2021.10.22 リマチル100mg2× エンブレル50mg週1回 肝機能正常
2021.11.25 健康診断 エンブレルのみ AST37、ALT72
2021.12.24 エンブレルのみ AST26、ALT97
2022.2.18 服薬なし 肝機能正常
2022.3.28 アクテムラのみ AST35、ALT86
2022.4.22 タクロリムス1.5mg AST18、ALT40 トラフ値3.3ng/ml 肝機能正常
2022.6.10 タクロリムス1.5mg AST21、ALT36 肝機能正常
2022.6.25 タクロリムス2mg AST19、ALT33 トラフ値9.6ng/ml 肝機能正常
2022.10.17 タクロリムス2.5mg AST36、ALT60 トラフ値4.9ng/ml
2022.12.9 タクロリムス2mg メトトレキサート4mg フォリアミン5mg AST17、ALT24 肝機能正常
2022.12.20 健康診断 肝機能正常
2023.1.27 タクロリムス2mg メトトレキサート6mg フォリアミン5mg AST26、ALT45 肝機能ギリギリ正常
2023.4.7 タクロリムス2mg メトトレキサート8mg フォリアミン10mg AST48、ALT127
2023.5.12 シンポニー50mg タクロリムス2mg メトトレキサート4mg フォリアミン5mg AST63、ALT240
2023.6.2 シンポニー タクロリムス2mg AST41、ALT129
2023.7.7 シンポニー タクロリムス1mg AST28、ALT57
2023.8.5 他院にて AST24、ALT46
2023.9.15 シンポニーのみ AST31、ALT72
2023.12.22 健康診断 シンポニー5週に1回 AST35、ALT68
2024.1.19 シンポニー5週に1回 AST31、ALT48
2024.1.19 シンポニー6週に1回 痛み出たため採血せずに薬変更
2024.3.15 ナノゾラ4週に1回
2024.3.29 ナノゾラのみ。ただシンポニーを打ってから4週後なので影響あるかも?肝機能正常 AST22、ALT27
2024.5.10 ナノゾラのみ。肝機能正常 AST25、ALT32
リウマチの薬の種類と強さ比較
生物学的製剤(注射)、JAK阻害薬(飲み薬)>>メトトレキサート>タクロリムス>>イグラチモド、サラゾスルファピリジン、ブシラミン
生物学的製剤とJAK阻害薬が即効性も効果も抜群です。
それ以外の薬は効きが滑らかで効果が現るのも遅いです。おそよ効果が出てくるのに3ヶ月くらいかかると言われています。また、リウマチの薬で問題になってくるのが個人差が大きく、30%くらいの人には効かないことがあります。例えば、ブシラミンを服用開始しても効果が出るのに3ヶ月かかってさらに効かない可能性も30%あるということです。適切な薬を選ぶのに時間がかなりかかります。
その点、生物学的製剤とJAK阻害薬は即効性も効果も抜群です。僕は生物学的製剤を使って翌日にはほぼ痛みを感じないくらい効いていました。ただ、値段も高いので躊躇する人もいます。僕もその1人でしたが痛みのある生活だと痛みのことばかり考えてしまい辛かったので今では生物学的製剤は欠かせません。
医療費
リウマチ治療で生物学的製剤やJAK阻害薬を使うと医療費がかなりかかります。保険適用で月3万円〜4万円程度です。生物学的製剤のエタネルセプトやアクテムラだと月2万円くらいでこれが最安値くらいです。
高額療養費の上限が一般家庭だと8万円程度なので2ヶ月に1回の受診であれば診察代と薬代合わせれば上限くらいです。1年で50万円くらい医療費がかかる計算です。
僕の加入している健康保険組合だと高額療養費に満たなくても月35000円を超えた分は返してくれるので1年で21万円くらいに抑えられます。一般的には高いかもしれませんがこれで痛みのない生活ができると思えば許容範囲です。
リウマチの初期に必要なこと
- リウマチ専門医の病院を受診する
- 生物学的製剤、JAK阻害薬を優先的に使う
まず、リウマチの診断がされたり疑いがある場合はリウマチ専門医のいる病院で通院をした方がいいです。「リウマチ専門医・指導医・施設検索」というサイトがあるのでそこで自宅近くの病院にかかることが先決です。大きい病院でもいいですが近くのクリニックの方が待ち時間も少ないので便利です。新しい薬がどんどん出てきているのと多くの症例を見ているので専門医の方が何かと融通がききます。また、リウマチは最初の2年がもっとも進行すると言われているので最初から専門医の意見を聞いた方が後悔がないです。
まとめ
今も治療継続中なので更新していきます。
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