ステロイドと聞くと絶対使ってはいけないと思っている人もいますがうまく使用できれば味方になります。
ステロイドはリバウンドが酷い、体に良くないと頭に刷り込まれている人は使い方が間違っている可能性があります。
まず、アトピーの人とアトピーを持っていない人では皮膚疾患の治療方法が異なります。
アトピーとは?
皮膚のバリアが低下していて、外部要因(アレルゲン:黄色ブドウ球菌・ダニ・カビ・汗・ペット・ストレスなど)によってアレルギー反応を起こし、かゆみなどが出る病態です。
アレルゲン検査とは?
アトピーが酷く出る人は何かに強いアレルギー反応を出している可能性が高いです。
病院で血液検査をしてもらうと何が原因かがわかりますので対処方法が見つかるかもしれませんので受けて見る価値はあります。
食べ物か、ダニか、花粉か色々悪化させる原因があります。
町医者ですぐできますが保険適用でも5000円くらいかかります。仕方ないです。
TARC(タルク or ターク)値とは?
TARC=thymus and activation-regulated chemokine
今のアトピー皮膚炎の重症度がわかります。
治療がうまくいっていれば数値が下がっていき、悪化すると上がります。
数値で見れるので治療効果がよく変わりますので治療前に受けた方がいいでしょう。
保険適用なので3割負担で1000円くらいです。
TARCの基準値と重症度
血清TARC値(pg/ml) | 重症度 | |
成人 | 450未満 | 正常 |
450〜700 | 軽症 | |
700以上 | 重症 |
治療の基礎
- 爪を短く切る
- 無添加の石鹸を使う
- ステロイドを塗る
プロアクティブとリアクティブ
アトピー治療の基本は、ステロイドと保湿です。
脱ステロイドの治療を勧めている人もいますが基本はステロイドと保湿です。
脱ステをしている人も最初はステロイドで治療をしたはず。ただ、うまくいかなかった経験をお持ちかと思います。その方法が間違っていたかしれません。
そこで紹介するのがプロアクティブとリアクティブという治療方法の違いです。
プロアクティブ ←アトピーの症状が酷い人
酷い時にはステロイドをたっぷり塗り、徐々に塗る頻度を減らし最終的に保湿剤のみにする方法(症状が治まってもステロイドを続ける)
重症であればステロイドだけでなく、プロトピック(タクロリムス)という免疫抑制剤の軟膏を使うこともあります。プロトピックは強さでいうとステロイドと保湿剤の中間みたいな位置付けかと思います。
リアクティブ ←アトピーの軽症者、アトピーじゃない人
酷い時だけ塗り、落ち着けばやめるか保湿剤のみにし、また症状がでればステロイドを塗る方法
ステロイドの塗り方(プロアクティブ)
ステロイドはたっぷり塗る
少ししか塗らないと湿疹のあるデコボコしている部分にステロイドが塗れていないからです。覆うようにして塗りましょう。
今まで少量しか使っていなかった人だとびっくるするような量だと思いますが、これが正しい量です。
塗る頻度はどれくらい?
治療初期:1日2回朝、晩ステロイド
ツルツルになったら:ステロイドの頻度を減らす(3日連続ステロイド+1日保湿→2日連続ステロイド+1日保湿→1日ステロイド翌日保湿→2日保湿+1日ステロイドなど)
最終的に:1週間のうち1日晩だけステロイドで他は保湿のみ
この具体的な治療方針は治療具合によると思うので主治医と相談することになると思います。
1日2回塗るのは変わりませんが、徐々にステロイドの塗る頻度を減らしていけるので安心かと思います。
1回に塗るステロイドの量は変わりません。変わるのは頻度です。
よくなったからといってすぐやめない
ステロイドを塗ってよくなったように思えても、よくなっているのは目に見えている部分の炎症が治まっただけで深部にはまだ炎症が残っています。
だからすぐに治療をやめてしまうと再発することが多いので、継続はして塗る頻度を減らしましょう。
塗り薬のステロイドの副作用
- 皮膚が薄くなる
- ニキビができやすくなる
これらは一過性ですのでステロイドをやめれば治りますので、頻度を減らしていくと落ち着いてくると思われます。
リバウンドの可能性は?
ステロイドと聞くとリバウンドを思い浮かべる人が多く、脱ステに方向転換した人はこれが原因かと思います。
確かに、リアクティブの塗り方だとリバウンドが起こる可能性が高いです。
しかし、プロアクティブだと塗る頻度を下げるだけでステロイドは塗り続けるためリバウンドの可能性が低いと思われます。
まとめ
アトピーの基礎や治療方法について紹介しました。
実際の治療経過については別記事で紹介します。
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