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MSワラント発表後の株価は?仕組みと事例を調査

2020年11月10日MSワラントの公使許可を与えてから株価が爆下げしたホープ。

 

自分のポートフォリオの中で一番資金を入れているので利益が目減りするのが毎日辛かったです。

 

僕はMSワラントの影響でここまで株価が下げるのを想定していなかったのでパニックになりましたのでMSワラントとその影響をまとめました。

 

今後持ち株でMSワラントが発行された場合の忘備録にしたいと思います。

 

事例はホープ(6195)です。

 

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MSワラントとは

MSワラント:Moving Strike Warrants

 

要は新株をディスカウントした価格で発行し資金調達する方法ですが、ディスカウント価格(10%値引程度)が変動します。ただのワラントは発行価格が決まっていますが、MSワラントは発行価格が前日の終値と決まっていているので変動します。その前日の終値から10%割引された価格で翌日購入できるわけです。

 

割り当て先は企業や証券会社だが、証券会社が一般的。

 

ホープの場合

割り当て企業の必要経費:(公使価格=前日の終値 ×  0.92(ディスカウト8%)) + 1352円(1個あたり)

 

例えば、終値7,000円を100個取得するのであれば(1個=100株)

 

取得費用(10,000株)=7,000 ×  0.92 ×  10,000 + 1352×100 = 64,535,200

 

通常より550万円程度安く調達できることになります。

 

MSワラントが嫌われる理由

  • 新株発行による希薄化
  • 割り当て先がほぼ100%利益を得る

 

そして高い確率で株価は短期的に暴落します。

 

株価暴落の理由

割り当て先(ここではB証券会社とします)が利益を得る仕組みを考えると株価(A株式会社)が暴落する理由が分かります。

 

それは新株を発行する前に割り当て先が大量に空売りを仕掛けること、既存株主が暴落するのを恐れて投げ売るからです。

 

新株予約権の発行許可をAが与える。

そこからBが大量に空売りを仕掛け、既存株主も利益確定売りで株価は暴落。

さらにBが空売り。既存株主が耐えれなくなり投売りでさらに暴落

Bが新株予約権を公使し、買戻し。

現渡しで完了。

 

適時開示の推移

2020年8月11日第三者割り当てによる第7回新株予約権(初発表:計4000個)、決算発表、上方修正

2020年8月17日第三者割り当てによる第7回新株予約権(発行条件の決定)

2020年9月2日第三者割り当てによる第7回新株予約権(払込完了)

2020年11月9日第一四半期決算発表 ←かなり良い決算内容

2020年11月10日第三者割り当てによる第7回新株予約権(公使許可:1000個)

2020年11月11日第三者割り当てによる第7回新株予約権(公使状況報告:500個完了)

2020年11月18日第三者割り当てによる第7回新株予約権(公使完了:計1000個完了)

2020年11月24日第三者割り当てによる第7回新株予約権(公使許可:2000個)

2020年12月1日第三者割り当てによる第7回新株予約権(月間の行使状況報告:350個完了)

2020年12月7日第三者割り当てによる第7回新株予約権(行使状況報告:合計750個完了)

2020年12月10日第三者割り当てによる第7回新株予約権(行使状況報告:合計1200個完了)

2020年12月11日第三者割り当てによる第7回新株予約権(行使状況報告:合計2000個完了)

2020年12月14日第2四半期累計期間の業績予想の修正に関するお知らせ

 

 

株価と出来高推移

日付始値高値安値終値出来高主な出来事(引け後)
2020年8月11日4,3054,3303,9204,030478,700決算発表、上方修正、MSワラント初発表
2020年8月12日4,3004,7304,2154,7301,208,100
2020年8月13日4,9005,3504,7304,8202,022,800
2020年8月14日4,8005,0004,7204,955486,800
2020年8月17日5,0905,6505,0605,540966,000MSワラント条件発表
2020年8月18日5,3705,6905,2905,560497,700
2020年8月19日5,5305,7205,3805,400358,500
2020年8月28日5,3205,3504,5904,895587,700
2020年9月2日5,1005,4105,0305,260506,100払込完了
2020年9月4日4,9905,2304,9555,040334,300
2020年9月7日4,9905,0104,6654,770376,900
2020年9月11日4,4354,8454,3604,760387,700
2020年11月9日6,5906,9906,4906,780562,200決算発表
2020年11月10日7,7807,7807,0107,7801,086,500公使許可1000個
2020年11月11日7,6307,9107,1207,4301,011,400最高値 500個公使と発表同時(7157円)
2020年11月12日7,5507,5807,0807,340520,400100個公使(6835円)
2020年11月13日7,3607,4006,8906,930318,50050個公使(6752円)
2020年11月16日6,7306,9806,5806,850286,100100個公使(6375円)
2020年11月17日6,8206,8606,0806,140508,900
2020年11月18日6,1506,4505,9606,200360,200底 250個公使(5648円)1000個公使完了発表
2020年11月19日6,1706,6406,0806,450306,800
2020年11月20日6,3506,4206,1806,190187,500
2020年11月24日6,3006,8806,2506,870310,900公使許可2000個
2020年11月25日6,3706,4206,1806,230531,300
2020年11月26日6,1006,1605,8706,080309,30050個公使(5731円)
2020年11月27日6,1006,2305,9206,060202,700100個公使(5593円)
2020年11月30日6,1206,3806,0906,240240,800200個公使(5575円)
2020年12月1日6,2806,2806,0306,230273,200350個公使完了発表 150個公使(5740円)
2020年12月2日6,2406,2405,9405,980264,300
2020年12月3日6,0106,0205,3905,490519,800150個公使(5501円)
2020年12月4日5,3905,5605,2205,520329,00050個公使(5050円)
2020年12月7日5,3505,4105,1105,120208,000750個公使完了発表 50個公使(5078円)
2020年12月8日4,7805,1604,7205,050612,10050個公使(4710円)
2020年12月9日4,8955,0104,6754,705440,00050個公使(4646円)
2020年12月10日4,5654,7904,5654,600285,3001200個公使完了発表 350個公使(4328円)
2020年12月11日4,6605,2604,6604,955562,9002000個公使完了発表 800個公使(4232円)
2020年12月14日5,5305,6605,3705,660239,500ストップ高、上方修正発表(期待値からすると下方修正)
2020年12月15日5,7605,8004,9605,0301,352,700

 

調達額予定:1,689,488,000円

 

3000個公使:357,850,000 + 68,350,000 + 33,760,000 + 63,750,000 + 141,200,000 + 28,655,000 + 55,930,000 + 111,500,000 + 86,100,000 + 82,515,000 + 25,250,000 + 25,390,000 + 23,550,000 + 23,230,000 + 151,480,000 + 338,560,000 = 1,617,070,000円

 

12月11日時点で、95.7%調達できています。

 

残り1000個あり、まだ許可は与えていない状態。

 

ほぼ調達できているので取りやめの可能性もあるのでしょうか?

 

希薄化の影響

全株式 6,002,800 株に対して、最大 400,000 株の発行なので6.66%程度の希薄化。

 

ただ、これは全株式で考えるとそうですが浮動株について考えると四季報では浮動株は13.3%。

 

浮動株=  6,002,800  ×  0.133  =  798,372  株

 

つまり、浮動株が80万株 →  120万株とかなりの希薄化に。

 

最初に公使許可を出した時の終値(7,780円)だと、理論的に5,180円程度に。

 

この考え方は流石に暴論かもしれませんが。

 

株価下落時の精神状態

2020年11月9日の決算が良かったので翌日にストップ高になり、11月10日の1000個のMSワラントの発表でも大きくは下落しなかったので大丈夫だと思っていました。

 

11月18日:最高値の7910円から1週間で6000円くらいまで暴落。その時はまだ含み益だったので買い増ししたり余裕がありました。

そしてMSワラント完了発表でさらに買い増し、株価も上昇に。それが3日後、2000個のMSワラント公使発表。ここからが本当の地獄。

 

11月25日:6870円から6230円に暴落。これは1000個のMSワラント公使が完了し、買い戻しで株価が上がってきていたが、その層が投げ売ってきたと思われる。

 

12月2日:11月の公使進捗(350/2000)が悪く、6230円→5980円に下落。

ここからも上がる兆しがなくひたすら下落。マザーズが上がっている日も下落。

 

12月8日:公使進捗(750/2000)の発表でさらに下落。5520円→5120円。

ここまで来ると12月中に終わらないのではないのかという恐怖が生まれる。そして含み益から含み損になったことでさらにメンタルをやられる。一旦売却も考えたが、業績は超絶良いのにこの株価は安いと思い売却せず。

 

12月11日:公使進捗(1200/2000)発表で流れが変わる。進捗が良くなってきた。

これまでの3日間、4500円付近まで売られていたので4500円で指値を入れていたのに刺さらず、4800円付近で100株購入していた。そしてこの日もそれくらいの価格で200株購入。

そして、この日株価が急上昇したのでMSワラントの終わりが近いと思った。さらに社長もツイッターで残り800個とツイートしていたのもそれを予感させた。

11日の引けに公使完了を発表。

夜間取引で4955円 →  5289円 まで上昇。

 

12月14日:前日の行使完了を好感 4995円→5660円(ストップ高)

みんな待ってましたと言わんばかりに買いが殺到。開始後、30分でストップ高に。さらに買い増し。

引け後に上方修正発表したが、この内容が期待値には程遠い上方修正だったのでむしろ下方修正にさえ思えた。しかし、夜間取引では6000円くらいまで上昇していた。

 

12月15日:5660円→5030円

始値は良かったが一瞬で急落。夜間は内容のよくわかっていない人たちが上方修正という言葉に飛びついただけだったよう。結局昨日のストップ高を全て吐き出す結果に。

 

結局、僕は1月4日に4550円ですべて売却しました。2月の決算発表まで待つ気でしたが、ホープの主力事業である電力販売の仕入れ先JEPXの高騰で業績への影響が甚大であると思ったからである。

この翌日からホープは暴落が始まって、1月下旬には2700円付近まで下落しているので危機一髪でした。

 

ワラントの後の株価下落?

この12月15日以降の下落はワラントの影響ではなく、ホープの業態の問題ですのでワラントとは関係ないかと思います。

ただ、12月発表の上方修正内容を見るとかなり保守的に思えますが、JEPXの高騰を予測して電力仕入れを市場調達から相対契約の割合を引き上げたので微妙な上方修正になったようです。

ここまでくれば色々勘繰ってしまいます。11月にワラント行使許可を出した時点で12月後半からのJEPXの高騰を予感していて資金ぶりに苦労すると予測。結果的に2回連続でワラント行使許可を出すほど焦っていたとも考えられます。

 

ワラントでの資金調達は95.7%達成しているので取りやめを発表するかもと思っていましたが、むしろ更なる資金調達が必要になるのではないかと思ったりもします。

 

まとめ

MSワラントを経験して詳しくなったので記事にしました。

間違っていたらコメントもらえると助かります。

 

今回、事例をあげたホープですが、ワラント行使完了後に株価が大幅に下落していますがこれはワラントの影響というよりワラントとは関係ない悪材料が出た影響なので基本的にはワラント終了後は人気銘柄であれば株価上昇という見立てでいいのではないでしょうか。

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